(111)ムーミン谷博物館からムーミン美術館へ
1987年にタンペレ市立中央図書館の地下にオープンしたムーミン谷博物館。そこにはトーベ・ヤンソンが寄贈した2000点近くものムーミンを中心とした原画やスケッチから、テーマに合わせて厳選された作品が展示され、そしてパートナーのトゥーリッキ・ピエティラが中心となって制作された立体模型が並んでいた。図書館の設計はトゥーリッキ・ピエティラの弟で鬼才と呼ばれる建築家、レイマ・ピエティラと妻ライリ・ピエティラ。オープン10年で、町の象徴的建築物の一つに数えられるほどになった。
雷鳥。図書館は上から見ると、まるで雷鳥が飛び立とうとしているようで、市民はこの図書館を「雷鳥」という愛称で呼んで親しんだ。フィンランドでは建築物を取り壊すことより、定期的に手をいれて修復することを大切にしている。この図書館もあるときから「そろそろ修復工事が……」と言われるようになっていた。
ムーミン谷博物館は修復工事が始まる前にと引越し先を探した。なかなか見つからず、一時的な移転先としてタンペレ市の美術館の地階に移ったのだけれど、それからほどなくしてニュースが飛び込んできた。
「ムーミンのために、建てる、らしいよ」…結果として、それは半分正しくて、ちょっと違っていた。つまりこうだ。既存のタンペレホールに、増築する形でムーミンのための空間ができるということだった。
これまで「ムーミン谷博物館」と呼ばれていたものは「ムーミン美術館」という名前に変更になる(英語ではムーミンミュージアムですが、日本語では特に美術館ということを強調したいのだそうです)。
ムーミン谷博物館としての展示は今月末まで。これから引越し作業が始まり、少し形を変えた形でムーミン作品の展示が行われる。
ムーミン美術館の新しいサイトも登場したので、ぜひご覧ください。
https://muumimuseo.fi/ja/
サイトの目玉はフォトコンテスト!ムーミン愛ほとばしる写真をSNSでエントリーするというもの。優勝者はタンペレまでの旅をペアでご招待なのですが、確認したところ、フィンランド以外の国在住の方の場合は、フィンランドまでの往復もご招待なのだそうです。いかがでしょうか?
詳細は新しくオープンになったムーミン美術館公式サイトでご確認ください。
https://muumimuseo.fi/ja/sns%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AB/
森下圭子