(112)1950年代のムーミンフェア

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1950年代にムーミンフェアをやったストックマンデパート。今年はクリスマスシーズンに、ムーミンの期間限定ショップをオープンしました。

 

フィンランドのライフスタイルは、戦後、大きく変わっていった。第二次第三次産業の割合が大きくなると、人は都市部に集中した。住環境はアパートなどの集合住宅や小さな一軒家になり、この新しい環境に合った快適さを求めてモノも制度も変化し続けた。

社会全体が活気に満ちていた1950年代は、トーベ・ヤンソンにとってもムーミンがどんどん勢いをつけた時代。童話のシリーズは次々とアイデアを得、絵本も登場。さらにコミックスの連載も始まった。これに加えて当時、トーベ・ヤンソンはムーミングッズのデザインも手がけていた。

フィンランド国内でムーミンの最初のブームが来たのも50年代だ。1952年、ヘルシンキオリンピックが開催され、戦後から続くフィンランドの活気が最初のピークを迎えた年。スウェーデン語で書かれているトーベ・ヤンソンのムーミンが、フィンランド語でも登場した。これが絵本の『それからどうなるの?』。その後、1955年、56年と続けてムーミン童話のフィンランド語訳が出版され、この頃、最初のムーミングッズが登場したのだった。

1952年設立のアトリエ・ファウニがムーミンの人形を作りだしたのは1955年のこと。そして翌年1956年、ストックマン・デパートがムーミンフェアを開催し、これに合わせてムーミングッズが数々登場した。デパートが依頼してアラビア社が作ったムーミンのカップ&ソーサーは、トーベ・ヤンソン本人が柄をデザインしている。テキスタイルの老舗フィンレイソンも、今では原作からのアレンジが多いけれど、当時はトーベ・ヤンソン本人がデザインしている。小さなモチーフ、遊び心たっぷり(本人じゃなかったら叱られそうなほどのユルいのも含めて)の絵など、今では他のグッズの柄として採用されたりもしている。

当時の製造技術もあるだろうけれど、でも今みると思わずくすりと笑ってしまうような品々。手作りも多く、今ではどれも、コレクターズアイテムとして注目されている。

久しぶりにストックマンでムーミンのフェアをやっている。そのディスプレイも品揃えも、今のフィンランドのライフスタイルやデザイン、そしてムーミングッズがよく出ているなあと改めて思った。

フィンランドは来年が独立100年のお祝いの年。改めて歴史を辿りながら、ムーミンと社会の変遷を重ねて見ていくと面白いなあと思う。

森下圭子

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スーパーでもムーミングッズは欠かせません。目立つところに新商品のムーミンのベリーパッケージが。ブルーベリーとラズベリー、一日に食べるといい量でパックされています。