(37)ムーミン、現代芸術を身をもって体感

アモス・アンダーソン美術館のポスターときたら、穴ぼこだらけにされてるムーミンだとかムーミンが梱包されて息苦しそうというかノなんだか痛々しいのだ。ムーミン使えばインパクトあると考えたのかい?とか、痛々しいポスターを見ていると、なんとなくこれを作った芸術家に毒づきたくなってしまうのだ。でも、見に行った。まんまと思うツボかもしれないけれど、ムーミンなので行った。
最初に言ってしまうと、毒づいてごめんなさいだ。なんど笑ってしまったか。プラスチックでできたアクティア銀行のムーミン貯金箱で現代芸術家たちの特徴的なものを習って「オマージュ」にしているのだ。たとえば「クラインへのオマージュ」では、クラインブルーでコーティングされたムーミンなのだけれど、表面に漂う質感までがクラインっぽい。赤い水玉だらけのムーミンは「クサマ(草間彌生)へのオマージュ」だ。梱包芸術でおなじみのクリストのオマージュが、ムーミン梱包だったわけだ。同じくポスターで痛々しかった穴ぼこだらけのムーミンは、トニー・クラッグへのオマージュ。

こんなのがずらりと44作品も並んでいると、ついつい噴きだしてしまうもの、爆笑しちゃうものも多くその場を去り難く、ぐるぐる何度も巡ってしまった。そして改めて思うけれども、ムーミンは現代芸術の個性の中でもゆるぎない存在感なのだ。どんな目にあってもムーミンはムーミンであり続ける。パイクへのオマージュにはビデオカメラが設置されていたので、思わずムーミンの背後にまわって、ムーミンと肩を組むポーズをとったり、ムーミンの頭の上に角みたいなピースを作ってあげたりして遊んでしまった。美術館でこんなに楽しいのは久しぶりだ。この展示は1月18日まで。館内ではいくつかの特別展があるのですが、そのうちの一つでは、トーベが海外旅行なども一緒に行くほど仲良くしていたサム・ヴァンニ作「トーベ・ヤンソンの肖像」が見られる。若い頃のトーベの様子が垣間見られる肖像画で、これも是非見ていただきたいものです。

フィンランドはどこもかしこもクリスマスで賑わっている。今年もムーミンたちのクッキー型は飛ぶように売れているとか。最近は大人たちが自分たちのために買うことも多いムーミングッズ。このクリスマスの大人向け人気商品はお盆。あ、今はトレイというのか。特に1960年にクリスマス用の包装紙としてトーベ自身がデザインした柄のものが大人気です。

アモス・アンダーソン美術館サイト
http://www.amosanderson.fi/#lang=en&page=e87
ROGER GUSTAFSSONという名前のところをクリックすると、6作品ほどご覧いただけます。

森下圭子

 

このポスター。どきっとさせられました。残念ながらこのポスターや作品のカードなどは販売されていません。残念ながら貯金箱自体も。

貯金箱、ムーミンショップで発見。ずらりと並ぶムーミンたち、この感じ、「ビークロフトへのオマージュ」ってこんなだったような…。