(16)ムーミンの棲み家

フィンランドの人は時間に正確だ。バスで8時に出発という遠足があったとする。すると7時59分には全員がバスの座席に着いているといった感じ。ホテルの朝食は朝の7時からといわれれば、バカンスだというのに目覚ましをかけてまで7時をめざしてみたり。時間通りが当たり前の人たち、飛行機の準備が整わないとかの理由でずるずる待たされてしまったら苦痛じゃないか。ところが、フィンランドの人たちってそういう時間をやり過ごすのがなかなかうまい気がする。

先日ヘルシンキの空港で久しぶりにだらだらしていた。ここのところ清掃や準備に手間どり、搭乗まで何時間も待たされる便が増えているらしい。そんなとき、ムーミンショップったら暇つぶしタイムにうってつけではないですか。小さい子たちの待ち時間にも大活躍だ。本もあるしぬり絵もある。ひとつだけ買ってあげるなんて言われて、小さなお店のなかをぐるぐるまわり、慎重に品定めする小さな子供たち。ムーミンたちがいると、その空間がワクワクで満たされていくような気がする。ただお店のなかを歩いているだけでも。

空間といえば、ムーミンの作者トーベ・ヤンソンに欠かせない空間の作り手がいる。建築家のピエティラ夫妻だ。ご主人(故人)のレイマはトーベの大親友トゥーリッキの弟さん。ムーミン谷博物館も、ハル島の小屋も、アトリエも彼が手がけている。ピエティラ夫妻の手がける建築物はどれもユニークで、その土地の精霊たちが眠りから覚めるような、それまで黙っていた空気が嬉々として踊りだすような雰囲気がある。大統領邸、デリーのフィンランド大使館などは今でも話題にのぼる個性的な建築物だ。そして、それぞれ個性的でありながらおしつけがましく無く、またその場に息づまりを覚えさせない。ヤンソンやムーミンとも通じるところがあるような気がする。

さて、そんなピエティラ夫妻の作品展がフィンランドの建築博物館ではじまった。ときにヤンソンのアトリエを見学できるツアーもあるし、彼らにまつわるレクチャーや遠足なんかもある。この時期フィンランドに来る予定のある人は、是非チェックしてみてください。

建築博物館のサイト:http://www.mfa.fi/

森下圭子

空港ショップでの人気商品。サンダルに簡単にとりつけられるアクセサリー。ボタン穴とかにもつけられそう。
空港で行列のできるスポットといわれている。ここでスナフキンと一緒に記念撮影する人が多いのだとか。待ち合わせにもつかえるかな。