(81)小さな行事

hautakivi

8月9日のトーベ・ヤンソンの誕生日に捧げられた一輪のヒマワリ

8月、日本ではムーミンの日がある。イベントもあって大勢のムーミンファン、トーベ・ヤンソンが好きな人たちが集まれる機会がある。フィンランドにいながら、日本にはそんなお祝いがあっていいなとよく思う。というのも、フィンランドにはムーミンの日も、イベントもまだないのだ。日本にあってフィンランドにないムーミンの楽しそうなモノ・コトのひとつが、ムーミンの日のイベントだ。日本からのお土産として日本のムーミングッズを買って帰ることができても、ムーミンの日は持って帰れない。イベントにミイの髪型で参加するなんてことも、フィンランドのムーミン好きにはたまらない。相当羨ましいようだ。

そんなフィンランドで、トーベ・ヤンソンの誕生日に小さな集まりをするようになった。ヒマワリの花を一輪手に、トーベ・ヤンソンが暮らしたアパートの前に集まる。玄関口にそれぞれがヒマワリを献花し、それから海が一望できる展望台(星の観測所)の丘まで散歩し、カフェでお茶をするという段取りだ。何人かはそのあと墓地へ向かい、トーベの墓前にヒマワリを一輪捧げる。特になにかする訳ではないけれど、恒例行事となりつつある。集合時間に遅れてしまい、自転車で後を追っかけてくる人、最後の墓地で待ってればいいと思いながら墓地で迷子になって誰にも会えずに終わってしまう人、なんだかこんな時にもムーミンに出てきそうな人たちがいておかしい。トーベ・ヤンソンのお誕生日を祝う会らしいなと思う。

来年はトーベ・ヤンソン生誕100年。100年の日にはフィンランドでも大きなお祝いがあるかもしれない。けれども、この小さな行事は小さな行事として、来年も静かに行われるのだろうなと思う。生誕100年の記念ロゴも発表になった。楽しいことが大好きで、宴がはじまると嬉々としてアコーディオンを奏でていたトーベ。そんな彼女をお祝いするのにふさわしいロゴだ。そしてフィンランドの8月の空に、アコーディオンの音色は本当に心地よく響く。

生誕100年の特別ページのサイトからロゴはご覧いただけます。
http://www.tove100.com/

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小さな町のフリマで見つけたヘムレンさん。なかなか貰い手が見つからなかったのだろうか。ヘムレンさんの第二の人生、大勢の人の役にたっています!