ムーミン谷、そしてトーベ・ヤンソンのふるさと、フィンランド

「ムーミン谷はどこにある?」そんな疑問が、日本中を駆け巡った一週間でしたね。ムーミンやフィンランドに関わる試験問題を知ったときは、森番もとっても驚きました。
そうい言えば『ムーミン谷の仲間たち』では、いつもより早く冬眠から目覚めてしまったムーミンパパが、初めて雪を見て「こんなものが、土からはえたのかしら? それとも、天からおちてきたのかな?」(『ムーミン谷の仲間たち』講談社/山室静訳)と、かなりピンボケなことを言っておりましたが、今回の騒動は、冬眠中だったムーミン一家にとっては、それ以上の驚きだったかもしれませんね。。

上は、『ムーミンパパ海へいく』の英語版の挿絵。描かれているのは、その本の中で、ムーミン一家がムーミンパパに連れられて暮らし始めた、沖合いの灯台の島です。ところがなんと、そこには「フィンランド湾」とタイトルが。また、右上には、その灯台の島のものだという緯度経度が示されていて、まるで宝探しみたいに、私たちを実在の場所へと導きます。(by 新金庫番)

ところで皆さまは、そんなムーミン谷を舞台にした、ムーミンの原作をお読みになったことはありますか?
森番も最近読んでいてふと感じたことがありました。というのも森番は子供時代を、長野県にある日本アルプスの見える町で育ったのですが、どうにも自分の中で、ムーミン谷とその幼い頃に育った町とが、重なっているように思えてならないのです。
つまりムーミンの物語を読みながら、どういうわけかムーミン谷とは全く別の実在の町の、風景、空気、におい、色といったようなものを、無意識に思い浮かべてしまう自分がいる、というわけです。日本から遠く離れたフィンランドで生まれた、ムーミンの物語が、日本の町と重なるというのは、不思議な話ですが、でも、もしかしたら、ムーミンを読んで森番のように感じている人も、少なくないのではないでしょうか。

そして、もちろんトーベ・ヤンソンにも、彼女だけが思い浮かべる「ムーミン谷」があったことでしょう。しかしそれは読者である私たちが、それぞれに思い描くムーミン谷が、他人に知られることがないのと同様に、私たちもトーベ・ヤンソンの心の内にあったムーミン谷を完全に理解することは不可能なようです。でもそれだからこそ、ムーミンの物語は、時代や国境を越えて、世界中の人から長く愛される、そんな存在になったようにも思うのです。

う~ん、確かにそうね。新金庫番も、ムーミン谷に出てくる登場人物といろんな知り合いを重ね合わせてしまうけど、それが誰かなんてことは、口が裂けても言えないわね!あ?そういう話じゃあないの?
でも、今回はそんな、トーベが生まれ育った「フィンランド」について学ぶとっても良い機会ですよん。実はこの数ヶ月で、たくさんのフィンランドを紹介するガイドブックが発売され、ムーミンや新しい美術館についても、詳しく紹介してくれています。
そんなガイドたちに導かれて、私たちもトーベ・ヤンソンの故郷のフィンランド、そしてこころのふるさと、ムーミン谷にも、旅立ってみようじゃありませんか!どうぞみなさま、本屋さんでお手にとってみてくださいね!

そんなフィンランドへの旅行で、ムーミン好きにとって外せないのが、ムーミン美術館ですね。
現在、ダイヤモンド社から発売中の『地球の歩き方 aruco 26 フィンランド』、地球の歩き方『Plat 15 フィンランド』 では、見開きでムーミン美術館をご紹介。また『今、こんな旅がしてみたい!』2018年1月号でもムーミン美術館の町、タンペレが取り上げられています。

地球の歩き方 aruco 26 フィンランドダイヤモンド社
(定価:本体1,200円+税/ 発行年月: 2017年6月/ 判型・造本:A5変並製)

ムーミン美術館はまさにムーミンファンの聖地。ヘルシンキから電車で2時間ほど離れた、タンペレという街にありますが、1986年以降のトーベヤンソンの2000点に及ぶ寄贈作品を基に設立されました。1987年に市立図書館の地下にオープン。その後30年を経た、2017年6月17日に、駅の反対側の新しい開発エリアにリニューアルオープンしました。

何と言っても看板作品は、トーベ・ヤンソンによる貴重な、ムーミン作品の原画。
『楽しいムーミン一家』の表紙画や挿絵など、綿密なタッチで描かれた油絵やスケッチは、もはや挿絵というよりも、アートそのものです。美術館のメインホールには、友人たちと3年がかりで作り上げたという、高さ2メートルもの「ムーミン屋敷」が飾られています。他にもトーベ・ヤンソンのパートナーであったグラフィック・デザイナー、トゥーリッキ・ピエティラによる、名シーンを再現した30ものミニチュアが所蔵されていたりと、いずれもここでしか見られないものばかり!!
またショップの向かいにあるポストへ投函すると、ムーミンの美術館限定消印が押せるそう。またまた、切手マニアの新金庫番には、必見ですよ。

地球の歩き方『Plat 15 フィンランダイヤモンド社
(定価:本体1,200円+税/ 発行年月: 2017年12月/ 判型・造本:A5変並製)

ダイヤモンド・セレクト 2018年1月号『今、こんな旅がしてみたい!』/ ダイヤモンド社
(定価:本体824円+税/ 発行年月: 2017年12月)

そして、最新のテクノロジーを使ったムーミン美術館では、物語の世界に浸ることができる、さまざまな展示や工夫がされているそうです。ぜひ、現地で体験してみてください!

ところで皆さんはフィンランドと聞いたら、ムーミンの他に、どんなものを思い描かれますか?サウナ、オーロラや自然、北欧雑貨、白夜といったものでしょうか。。。
実際フィンランドという国は、夏は白夜で24時まで明るく、冬は寒くて日が極端に短いのだそうですね。

(ご参考に、こちらは船からみた夏の夕暮れ。というか、夜なのですが、水平線に張り付いた夕日はいつまでも沈みません。何時間も、こんな景色を見ながら、トーベも自分の船をすすめたのでしょうか。時が止まったように感じる夏の夜には、世界や自分のことがみんな溶け合って、ひとつにつながっているようにも思えます。by 新金庫番)

ダイヤモンド社刊『
海外女子ひとり旅』 によると、日が最も長いのは7月で、夜は24時過ぎまで明るいのだそう。でもそのおかげでフィンランドの夏は、深夜まで明るいため、夜遅くまで遊び歩いても安全だとか。のん兵衛さんには、吉報!?

地球の歩き方MOOK 『海外女子ひとり旅ダイヤモンド社
( 定価:本体890円+税/ 発行年月: 2017年6月)

また、ガイドブックを読んでいて驚いたのは、ヘルシンキ交通局がトラム、地下鉄、市バス、そしてまさかのフェリーまでも運航しているのだそうです。ヘルシンキのマーケット広場から世界遺産のスオメンリンナ島までのあいだは冬も運航していて、所要時間は約15分。まさに周りを海で囲まれた半島、フィンランドならではですね。用事が無くとも、ぜひ乗ってみたいくらいです!

(賛成!!フェリーに乗って、スオメンリンナ島のおもちゃ博物館に行くと、戸棚の中にたくさんのムーミンの人形たちが飾られていますよ。フィンランドの子どもたちにとって、ムーミンの絵本や人形は、赤銅のおままごとのキッチン用品と同じくらいに大事で、みんなが持ちたがる、人気者のようです。 by 新金庫番)

そのうえ、地下鉄駅においては、自動券売機で購入した切符さえあれば、改札は素通りして大丈夫だとか。改札の苦手な森番にも、優しい街です。。。(はたして他にも改札が苦手な人はいるのだろうか。。。)フィンランド旅行中は、こうした公共交通機関を上手に使って、お得に旅行したいものですね。ご紹介した、以上のガイドブックには、こういったフィンランド旅行中に便利な情報がたくさん載っています。

あと、記事で面白かったのは、フィンランドには大人がまじめにふざけるコンテストがいっぱいある、というところ。
最近はテレビでも紹介されているようですが、奥様運び世界大会(妻役は49kg以上)、携帯電話投げ世界大会(古くなった携帯を投げる。賞品は新しい携帯!)、エアギター世界選手権(日本エアギター選手権の優勝者は同大会へ出場)などなど、他にもかなり独創的ともいえる、おもしろイベントが盛りだくさん!!

フィンランド人はシャイと言われたりもしているそうですが、本当にシャイな人たちがこんな珍コンテストに参加できるのかは、かなり疑問なところ。。。それとも普段シャイだからこそ逆に、こういうところでおもいっきり弾けるのでしょうか!!森番もいつか、フィンランドで現地の人と仲良くなったり、オーロラを観に行ってみたいな~!

トーベ・ヤンソンもとてもシャイな方だったそうです。でも行動はとても、大胆。そんなところも、やっぱりフィンランドの人たちのパーソナリティに重なるところがありますね!みなさまも、何かの機会にぜひ、一度ムーミンの生まれたふるさと、フィンランドへお出かけください!!

最後に新金庫番からお知らせです。年末から年始にかけて、皆様にご参加のお願いをした「ムーミン人気投票 2018」、とっても盛り上がりましたね!!

ムーミン人気投票2018

ムーミンの中で誰が好きなんて難しい!という声が多い中、それでも、それならムーミンが一番!とか、子どもの頃は、真剣にスナフキンと結婚すると考えていた、そんな女性が結構多いことに驚きながら、ああ、自分の幼少時代もそうだったなあ、と、甘酸っぱい感情を思いおこしました。そして意外に、ムーミン谷のマイペースなやつら、ニョロニョロやスティンキーなんかの票も伸びてきて、、、あ~、まさにデッドヒート状態ですが、この結果発表は、3月に宝島社から発売予定の「ムーミン公式ファンブック」(仮)の発売までお待ちください!

そして、年の初めのうんだめし!ムーミン公式サイトからは、素敵な投稿や投票をしてくれた皆様に、年初のプレゼントをお送りします~!抽選で7名様に、ムーミン谷倉庫から、2万円相当以上のムーミングッズが入ったお年玉福袋を差し上げます!と年末お約束をいたしましたね。

当選なさった7名様には先ほど、eメールをはじめとして公式サイトやファンクラブのSNSなどで当選のお知らせお送りしました~。我こそは、と思う方、自信のない方も、必ずメールボックスやご自分のアカウントをチェックしてみてくださいね。ご住所等お返事いただかないと、福袋届きませんので、ご注意ください!それでは、みなさま、1月も残り少ないですが、風邪など引かずに、お過ごしくださいませ。(ひとりじゃないよ!ムーミン谷のみんなが一緒だよ。)

では、また来週まで、アディオ~ス!