ムーミン谷の冬季スポーツ大会

冬のオリンピック、いよいよ始まりました!!今回は日本と時差のない韓国での開催だというのに、なぜか競技時間が早朝もしくは夜中・・・zzzz・・・・世界各国の選手たちが熾烈な戦いを繰り広げる中、こちら森番はコーヒー&チョコレート片手に昼間の睡魔と闘っております!!何やら欧米諸国やスポンサーなどの意向によってそうなっているとか。。。オリンピックとは選手第一の大会であって欲しいところですが、なかなかそうともいかない大人の事情のようです。。。

 

ムーミン・コミックス 第8巻 ムーミンパパとひみつ団』(筑摩書房/ 冨原眞弓訳) の「やっかいな冬」でも、そんなスポーツ界の裏事情を揶揄するかのようなエピソードがひそかに(?)書かれていますね。なんと言おうと、ここではスポーツ万能なのに負けて落ち込んでいるブリスクさんを優勝させるため、八百長するムーミンたちの姿が描かれているのだから衝撃!!(ちなみにブリスクさんに夢中になってしまったスノークの女の子とミムラを元に戻すため、「やつを消すしかない!」とブリスクさんを崖から突き落とそうとしたムーミンにもショック!)


しかも結局、八百長によって勝利したことをブリスクさん本人に知られ、勝負はますますエスカレートしてしまいます。そんな様子にムーミンママは「スポーツが健全だってほんとうかしら?こんなふうにみんなして変になってしまうのに・・・」と辛辣な一言。「健全な魂は健全な肉体に!」を唱える冬季スポーツ大会であっただけに、かなりの皮肉です。。。更に、傷心のブリスクさんは雪山から身投げまでして、なんとムーミン谷に雪崩を引き起こします。最後にはブリスクさんにほの字であったスノークの女の子も、「よく考えるとブリスクさんてちょっぴりこっけいだわ」と言って、ムーミンの元へと戻ってきます。

『ムーミン谷の冬』(講談社/山室静訳)に出てくる体を動かすのが大好きなヘムレンさんもそうですが、このようにトーベ・ヤンソンはスポーツマンを皮肉交じりに、しかし愛情を込めて描くのが得意ですね。そしてそんな人たちに完全に振り回されてしまうムーミン一家の姿も、毎度のことながらクスクスと笑わされていしまいます。そんなムーミンたちが親近感をもって描かれているところをみるとトーベ・ヤンソン自身も、そんな厄介なスポーツマンに振り回されて迷惑した経験があるのではないかとも想像してしまいます。

オリンピック競技を観ていても思ったのですが、0.1秒を競うスポーツマンというのはとてもカッコイイと思うと同時に、どこか可笑しく思ってしまうような部分も少なからずありますね。
先日たまたま、スピードスケートのショートトラック団体の試合をテレビ観戦していたのですが、森番はそのあまりのドタバタ劇具合にびっくりしてしまいました!!
もちろん氷の上を猛スピードで疾走する選手たちはとってもカッコいい!凡人には到底、成せない業ですし、あんな風に滑れたらどんなに気持ちがいいことだろうとも思います。しかしその一方で陸上競技とは訳が違い、選手たちの転倒の仕方がとにかく半端ない!しかも今までトップを走っていた選手が、平気で他選手を巻き込んで転倒し最下位に、唯一転倒を免れた最下位の選手がいつの間にかトップになんてこともザラです。普段の生活で、あんな大の大人が豪快に転んでいる姿って滅多にみるものではないので、森番はテレビの前で呆気にとられてしまいました。。。

「やっかいな冬」の物語の冒頭ではブリスクさんが氷に穴を掘り、その下の冷たい水に浸かりながら体力づくりをする場面がありますね。ムーミンたちはそんなブリスクさんの様子を変な目で見ているわけですが、ミムラは「でも かっこいいかも」と言います。この気持ち、案外女性には分からなくはないかもしれませんね。森番は思うのですが、カッコいいことって、どこかカッコ悪かったりするのかもしれません。そしてまたカッコ悪いことも、見方によってはどこかカッコ良かったりする。そんなアンビバレントな感情の中に、もしかすると私たちが感じる真の「カッコいい!」は存在しているのかもしれません。

今週は冬季オリンピック開催に合わせ、初めてムーミン・コミックスをご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか? ブリスクさんに勧められるがまま、半ば無理矢理スケート・カイトをやるはめになったムーミン一家は物語の途中、こんなセリフを言います。「なぜこんな目に・・・わたしたち なにか悪いことをした?」森番もこれと似たようなことを、人に勧められるがまま無理にジェットコースターへ乗った時にいつも思いますね。そして乗ってから、必ず後悔します。。。その人にとってはどんなに楽しいことでも、そうでない人にとってみれば罰ゲームさせられているも同じ。悲しい現実です。。。しかしそうだからと言って、必ずしも悪いことばかりではありませんね。自分の知らない世界を知ることができるかもしれないですし、何より新しい自分を発見することが出来るかもしれません。どんなことでもやってみる!そんなチャレンジ精神は、オリンピック選手へも通ずるものがあるかもしれませんね。それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう~!


最後に新金庫番からお知らせです。こんな寒い日が続くと、外出もおっくうになりますねえ。でも、テレビでオリンピックばかり観ていないで、お時間があれば、ムーミンのイベントにも参加しませんか!!

まずは大阪エリアのファンのみなさま、本日からうめだ阪急で、ムーミンマーケット2018が始まります。限定メニューもあるムーミンスタンドが出店したり、イベントビジュアルを使ったかわいい限定商品もいろいろ販売されていますので、朝からたくさんのお客様にご来場いただいているみたいです。また、2018年2月17日(土)は、パイロットのボールペン「エボルト」のムーミンマーケット2018バージョン(阪急うめだ本店会場限定)に好きな名前を入れてもらえる名入れ販売を、一日限定で行う予定です(500本限定)。これは、文具ファンも見逃せませんね!お近くの方は、ぜひお立ち寄りくださいませ。詳しいことはこちらのムーミンニュースから。

また、大阪までいけないもん!というご遠方のファンにもこんなイベントが。ムーミンファンの必需品とも言われている(?)、セイコーエプソンの最新テクノロジーを搭載した腕時計、ムーミンのスマートキャンバスについて、2018年2月16日(金)~2018年2月26日(月)の期間で、ムーミン公式ファンクラブがアンケートとグループインタビューの参加者を募集しています。アンケートは、ファンクラブ会員に限らずウェブから参加でき、抽選ですてきなプレゼントがもらえますよん!ちょっとお時間のあるムーミンファンのみなさまや時計ファンのみなさま、ぜひご参加ください~。ご興味のあるかたは、こちらのムーミンニュースから。

では、また来週まで、アディオ~ス!