ヘムレン
ムーミンの物語にはたくさんのヘムル族が登場します。彼らの多くはヘムレンさんと呼ばれていますが、ヘムレンさんというのはひとりではなく、何人ものヘムレンさんがいるわけです。代表的なのは、ムーミン谷に住む、切手や植物を収集するヘムレンさん。他に、小説『ムーミン谷の冬』のスキー好きの大きなヘムル、小説『ムーミン谷の仲間たち』収録の「しずかなのがすきなヘムレンさん」の主人公、小説『ムーミン谷の十一月』でムーミンやしきに滞在するヘムルなどがいます。ヘムレンおばさん、小さなヘムルのむすめといった女性もいます。
ヘムル族は一般的に、ムーミン族よりも少しばかり体が大きく、自分の意見を周囲に押しつけようとする傾向があります。へムル族の多くはコレクター気質で、いったん切手や虫を収集しはじめると、完全なコレクションを完成させるまで、他のことには見向きもしません。しかし、ひとつのジャンルを制覇してしまうと興味を失い、またすぐ次に収集するものを探し始めます。
ヘムルたちは秩序を重んじ、何かと指揮をとりたがり、周囲の者たちが自分の信じるルールに従ってくれることを望みます。悪気はないものの、他人の意見に耳を傾けることが下手で、無遠慮なので、相手を怖がらせてしまうことがあります。頑固で、そのくせ気弱な一面も。そういった気質がヘムル族の特徴ですが、個々のヘムレンさんはそれぞれの個性を持ち合わせており、中にはまったくヘムルらしくない例外のヘムレンさんもいます。