美しいムーミン屋敷のひみつ
皆さん、ついに2019年3月「ムーミンバレーパーク」がグランドオープンすることが発表されましたね!森番です。こんにちは。新しいムーミンパーク内には、ムーミン物語の原作をモチーフとした施設やアトラクションなどがたくさんあるとのこと。まだ1年も先なのか。。。と首を長~くして待ちわびている方、もしくは待ちくたびれ、すっかり首がろくろっ首のように伸びてしまっている方。ぜひともこの機会に今一度、ムーミン物語の原作に立ち返られてみてはいかがでしょうか?(そして本を読みながら一度冷静になり、首を元の位置にお戻しください)そうすればムーミンパークがオープンする頃には、すっかりムーミンの世界に詳しくなって、よりムーミンパークの世界感を楽しむことができるかもしれませんね。
ところで皆さんは、そんなムーミン屋敷というのが「タイル張りのストーブそっくりに作られている」ということをご存知でしたか? 実はこの事は以前このブログでも紹介した、ムーミントロールのご先祖さまとも関係していることなのです。そう、ムーミンたちの祖先は元々、大きなストーブの後ろに住んでいたのでしたね。そしてムーミンママたちが子どもだったころも、やはりそうだったのです。だからその頃の自分たちが住んでいた人間の家の「タイルばりの大きなストーブのうしろ」を懐かしんで、ムーミンパパがタイル張りのストーブそっくりの家を自分で建てたというわけです。
小説『小さなトロールと大きな洪水』挿絵 美しい谷に建っているムーミン屋敷
『小さなトロールと大きな洪水』(講談社/冨原眞弓訳)には、そんなムーミン屋敷が建てられた経緯について、語られる場面があります。いなくなってしまったムーミンパパを探す旅に出た、ムーミンママとムーミントロール。大洪水という災害に見舞われながらも、ようやくムーミンパパと再会することができたのでした。しかし残念ながらムーミンたちを迎え入れるために用意していたお屋敷は、洪水によってすっかり流されてしまいます。ムーミンパパは再会したムーミンたちに、自分の建てたムーミン屋敷がどれほど素晴らしかったかを語ります。
「『その家はわたしたちと住もうと思ってたてたの?』
と、ママはうれしそうにききました。
『もちろんさ。』
パパはいいます。
『おまえたちをずっとさがしていたんだ、あちこちとね。あのなつかしいストーブのことがわすれられなくてね』」
ところが何ということでしょう、洪水の水が大分引いてきた頃、一日中歩き回っていたムーミンたちは今まで見たことのないような美しい谷で、タイルばりのストーブそっくりの家が立っているのを見つけるのです。そしてそれは何とも素敵な、青いペンキぬりの家でした。そうです、それがまさにムーミンパパがみんなのために建てた「ムーミン屋敷」だったのです。洪水によって流されたと思っていたムーミン屋敷を発見したムーミン一同は、大興奮。そしてムーミンママは言うのです。
「『この家より美しい家はないわ。』
ママはムーミントロールの手をとって、空のように青い部屋へはいっていきました。」
今週はムーミンバレーパークのグランドオープン決定を記念して、美しいムーミン屋敷のひみつについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 大洪水で流された末、ようやく陸地に降り着いて、そこから生き残ったモノたちと新しい世界をつくっていく。。。まさに旧約聖書の創世記に記されている「ノアの箱舟」のエピソードを連想させる場面ですね。そういう意味では、ムーミン屋敷というのはまさにムーミン一家の新しい生活が始まるに相応しく、家族も友人も皆が幸せに暮らしていくための場所として、ムーミン物語そのものを象徴する存在なのかもしれません。それでは今週はこの辺で、また来週お会いしましょう~。
本当に、そんな美しい谷に行くことができたら素敵!新金庫番も楽しみです。ムーミンバレーパーク。でも、来年の春が待ちきれないあなたには、毎年夏のお楽しみがやってきますよん。今週はムーミンファンお待ちかねの、ムーミンの日の集い参加者一般募集が始まりました~!
なんと、「2018ムーミンの日の集い」では、昨年試みられた、謎解き企画も、大きな会場に移ったことでパワーアップして登場するとのこと。。また、ムーミンバレーパークについての新しい発表はあるのか??ご興味のある方は、刮目して待つ!たないで、こちらのムーミンの日特設ページから、早速ご確認ください。では、また来週まで、アディオ~ス!