ムーミンバレーパーク春夏秋冬
2020年1月第5週のブログ「ムーミン春夏秋冬」番外編は、これまでクローズアップできなかったムーミンバレーパークのあれこれをまとめてご紹介したいと思います。題して、「ムーミンバレーパーク春夏秋冬」。ムーミンバレーパークもこの3月で1周年、四季が一巡りします。春のオープンから、ムーミンの日を中心に熱く盛り上がった夏、紅葉に彩られた秋を過ぎ、ムーミン屋敷のライトアップや1月から始まった「サウンドウォーク ~ムーミン谷の冬~」などのさまざまなイベントを開催中の冬。
1デーチケットが導入され、現在は期間限定で駐車場が平日無料になるなど、日々、利用しやすく変化していますので、最新情報はお出かけ前にmetsä(メッツァ)公式サイトをご確認いただくとして、ここではモチーフになった原作と絡めてムーミンファン目線で見逃せないポイントをピックアップ! そういえば、お出かけにぴったりのビッグトート&サコッシュがついたオフィシャルガイドブック『ムーミンバレーパーク MOOK』にも見どころや穴場が掲載されていますからぜひチェックしてみてくださいね。
まずはエントランス。フォトスポットとして大人気のメインビジュアルのオブジェの向こうに、本の形をしたウェルカムゲートが。このゲートが伝えるのは、ムーミンバレーパークが原作の物語を大切に作られたものだというメッセージ。シルエットになっているムーミントロールやスナフキンといったメインキャラクター以外にも、原作からの引用や小さなキャラクターの姿が散りばめられています。園内に入ってすぐパンケーキレストランやショップなど心踊る施設が並び、湖に沿って歩いていくと、最初に目に飛び込んでくるのは「水浴び小屋 Uimahuone(ウイマフオネ)」です。海が大好きなムーミンたちが船で海へ漕ぎだしたり、海水浴を楽しんだりするための桟橋と小屋は、ムーミンパパが造りました。この小屋は何度も物語に登場しますが、特に大きな役割を果たすのは『ムーミン谷の冬』。入ることはできないものの、窓から中を覗くと、冬にはおしゃまさん(トゥーティッキ)の青い帽子やしましまの服、夏にはムーミントロールたちの水着など、季節に沿った演出が!
そして、なんといっても時間をかけてじっくり楽しんでほしいのが、入場無料、出入り自由の展示施設「KOKEMUS(コケムス)」。ムーミン屋敷の左手奥にある、3階建ての大きな建物です。
真っ白なかわいいムーミンがお出迎え! このムーミンが持っている花にもご注目。特別な日には花かんむりをかぶっていることもあるんですよ。コケムス1階は、右側が世界最大級のムーミングッズを販売する「ムーミン谷の売店 Muumilaakso kauppa(ムーミラークソ ルオカラ)」、左側が「ムーミン谷の食堂 Muumilaakso ruokala(ムーミラークソ カウッパ)」。壁の絵に隠れているキャラクターを探しながら、真ん中の通路を真っ直ぐ進み、エレベーターで3階に向かうと、原作小説や絵本をモチーフにしたオブジェがズラリと並んでいます。仕掛けを動かしたり、手を振ったりすることで変化するインタラクティブな展示は自由に撮影することもできて、お子さまにも大人気。ムーミンのお話やキャラクターがぐっと身近に感じられます。階段の吹き抜けには8メートルを超える巨大なムーミン谷のジオラマが! 物語の場面が細かく再現されていて、建物が回転したり、天候や時間の変化が楽しめたり、ついつい見入ってしまいます。 2階には原作小説やコミックスをさらに深く知ることができる常設展、企画展、トーベ・ヤンソンのインタビュー映像などを上映するスペースなどがあります。貴重な展示物は入れ替わることもあるので、“1回見たから”なんて安心せず、ぜひ毎回立ち寄ってみてください。期間限定のワークショップもありますし、疲れたらひと休みできるカフェ(オーダーしなくても座って休んでOK!)も。階段には「アウロラ子ども病院」の壁画が複製されていて、隅々まで見どころ満載です。
エンマ劇場、海のオーケストラ号、飛行おにのジップライン、ヘムレンさんの遊園地といった園内にあるアトラクションや施設については過去のブログで詳しくご紹介してきましたが、もうひとつ、参加型のシアター型アトラクション「リトルミイのプレイスポット」があります。こちらの元になったのは、「家をたてよう」(ムーミン・コミックス 第4巻収録/筑摩書房刊)。ストーリーについてはブログ「令和元年のこどもの日」もご参照くださいね。ミイ好きさんはもちろん、ご家族連れにもおすすめの楽しいアトラクションなので、物語の世界に入り込んでミイといっしょになって楽しみましょう!2種類のゲームが楽しめるアーケードゲームも、もちろん物語がモチーフになっています。右は『ムーミン谷の彗星』の彗星に見立てたボールを落とさないようにゴールをめざす「おさびし山チャレンジ」、左は『ムーミン谷の冬』にちなんでハンマーで魚を的に乗せる「トゥーティッキのフィッシング」。成功すれば大きなムーミントロールかちびのミイのぬいぐるみをゲット! 失敗しても記念のピンバッヂがもらえますし、イベント限定の特別な景品が登場することも。さらに、海のオーケストラ号近くの「ニブリングの店」にも新しいアーケードゲームが登場したというニュースが飛び込んできました!
エンマ劇場の裏あたりに位置するこのエリアには、ホットドッグなどの軽食が楽しめる売店、ムーミンたちと記念撮影をすることができる「写真スタジオ Muikku foto (ムイック フォト)」もあります。ムイックフォトでは、ファンクラブ限定アルバムを選べるサービスが始まっていますよ!湖に沿いをどんどん歩いていくと、大きな白い「灯台Majakka(マヤッカ)」が見えてきます。これは『ムーミンパパ海へいく』で一家が暮らした灯台をイメージしたもの。夜になるとライトが灯り、湖の対岸から見てもきれいです。灯台の内部には、ムーミンママがムーミン谷を恋しく思いながら壁に絵を描く名場面が再現されています。さらに進んでいくと、スナフキンのテントがあります。ここはパークのいちばん端。園内で流れる楽しい音楽もここまでは届かず、木々のざわめきや鳥の声など自然の音だけが優しく耳に響きます。ふらりと気まぐれに現れるスナフキンに会えたらラッキーですが、独りきりで旅人気分を味わうにも最適なスポットです。さて。主な施設はご紹介できたかと思いますが、他にも園内には小さな見どころや撮影スポット、隠れキャラがいっぱい。例えば、これは『ムーミン谷の彗星』で、ムーミンママが必要だと判断したたくさんの荷物をバスタブに積んでどうくつへと避難する場面。
挿絵ではこんな感じ。展示物のそばには挿絵のパネルも設置されているので、見比べることができますよ。個人的に、行くたびに撮影しているお気に入りのスポットは『ムーミン谷の夏まつり』でボートに乗って隠れるスナフキンの挿絵をモチーフにしたもの。
夏と秋では全然雰囲気が違います。雨が降って湖の水が挿絵のようにぎりぎりまで増えていたこともありますし、草が茂ってボートがほとんど見えなくなっていたことも。でも、これはパーク全体に言えることですが、どの季節もとても絵になって、自然の豊かさを実感することができます。こちらは園内のあちこちに設置されている、西川材という地元の木材を使ったベンチ。風景を楽しみつつ、ひと休みすることができます。ベンチにはそれぞれ、ムーミンの物語の一節を記したプレートが。『ムーミン谷の十一月』に出てくるこのフレーズはブログ「ムーミンたち不在の十一月」でも引用してご紹介しました。言葉を探してベンチめぐりをするもよし、たまたま座ったベンチにどんな言葉が書いてあるかで占いや心理テストごっこをして遊ぶこともできそうです。園内のライトにも、ひとつひとつにキャラクターのシルエットがついています。なかには、誰だっけ?と思うようなマニアックなキャラクターも。これは『ムーミン谷の冬』に登場する隠れ人気キャラご先祖さま!さらに、園内の数カ所に「ストーリーの扉」が新たに設置されました。その場所にどんな物語が秘められているのか、雰囲気のある紙芝居のような映像で詳しく知ることができます。この画像は「水浴び小屋」エリアのものですが、「おさびし山」や「灯台」など、各スポットごとのテーマに沿ったデコレーションも見逃せません。また、ムーミンの物語の世界をより深く知ってほしい!と、ストーリーガイドの配布が始まりました。17時までに入園すると、ブルーの専用ファイルを無料でもらうことができます。園内のスポットごとにその場所にまつわるエピソードや情報の書かれた小さなパンフレットが置かれていて、自由に集めることができる仕組み(ひとり1枚まで!) このボックスのようにわかりやすく置かれているところもあれば、スタッフに声を掛けないと入手できない場所も。ぜひ全部集めて並べてみてくださいね。ちょうど、「WINTER WONDERLAND in MOOMINVALLEY PARK」~おさんぽラリー「りすをさがして」~も開催中(3月8日まで。なくなり次第終了)。エントランス近くの「はじまりの店」で用紙を購入すれば、りすの足跡を追って簡単な謎解きを楽しみながら、園内をお散歩することができます。すべての謎が解けたらご褒美がもらえますよ。ムーミンバレーパークには、いくつもの楽しみ方があります。もちろん、そのときの自分の気分のままに、ムーミンたちの気配と自然を感じながら、自由に過ごすのがいちばん! 次は何をしようかな?と迷ったら、おさんぽラリーやストーリーガイド集めをするのもいいですし、お天気がいまひとつならコケムスでのんびりしたりワークショップを楽しんだり。アトラクションの数だけで言えばけっして多くはありませんが、美味しいものを食べて買い物も楽しんでとのんびりしていると案外あっという間に時間がたってしまいますから、何度でもリピートしたくなります。遠くから遊びに行く方は、公認ホテルに泊まって非売品のグッズをゲットしつつ、2日かけて楽しむのもいいかもしれません。春夏秋冬、季節ごとの風景やイベントで盛り上がってきたムーミンバレーパーク、ムーミン75周年の今年はどんな企画が予定されているのでしょうか。きっとまたたくさんの驚きが待っているはず。だって、ムーミンの物語にはまだまだ続きがありますから。
萩原まみ(文と写真)