トーベが描いたユニセフのイラストと、ムーミンとユニセフの取り組み

 

トーベ・ヤンソンは、その幅広い仕事の中で、さまざまな慈善団体に協力し、チャリティーポストカードのイラストなどを手がけてきました。1981年には、ユニセフのためにもポストカードのイラストを描いています。1981年、ユニセフのクリスマスカードに採用されたこの「平和の行進」は、今やユニセフの象徴的な作品です。このイラストには、スナフキンやリトルミイなどのムーミンの人気キャラクターたちが、平和のために行進している姿が描かれています。

2000年の秋、ユニセフはトーベに、この「平和の行進」を復刻する許可を求めました。トーベはこの依頼を喜び、「喜んで承諾します」と答えています。その頃トーベはもう絵を描けなくなっていましたが、子どもたちのために何かできることが嬉しかったのです。

このイラストは現在、フィンランドの「ユニセフ・ウォーク」のイラストとして使われています。「ユニセフ・ウォーク」は、子どもたちが、発展途上国にいる同じ年頃の仲間たちを支援することができる取り組みです。

ミャンマーの子どもたちへの支援

2021〜2022年は、学生とスポンサー、ユニセフが一体となって、ミャンマーで子どもたちが学校に行けるようにするための活動を行います。この学期内に、ムーミン・キャラクターズは「ユニセフ・ウォーク」に参加した子どもたち1人につき、0.50ユーロをフィンランドのユニセフに寄付します。

「ユニセフ・ウォーク」に参加する子どもたちは、イベント前に、親戚や友だちなどからスポンサーを募り、スポンサーは、その子のアクティビティの量に応じて寄付することを約束します(スポンサーがいない場合もあります)。イベント当日、子どもたちは「ユニセフ・ウォーク・パスポート」に、アクティビティごとのステッカーを貼っていきます。そうすることによって、自分の行動が、世界に影響を与えていると実感できるのです。イベント終了後、獲得したステッカーの総数に応じて、その子のスポンサーからユニセフに寄付が行われます。

この「ユニセフ・ウォーク・キャンペーン」の一環として、フィンランドのユニセフは、子どもたちが情緒的なスキルとマルチリテラシーを実践できる、学校向けのオンラインツールを開発しました。このツールにはムーミンのGIFが含まれていて、子どもたちはそれを使って手紙を書いたり、グローバルな教育の中で感じたことを言葉にして伝えることができるようになっています。このツールはフィンランド語とスウェーデン語で展開されています。

このユニセフとムーミン・キャラクターズのコラボレーションは、「読む、書く、ムーミン」のキャンペーンの一環で、子どもや若い人たち、大人たちの生活の中で、読むこと、書くことの大切さと喜びを高めることを目的としています。

「読む、書く、ムーミン」については、今後またご紹介していきますね。

翻訳/内山さつき