(31)ムーミン、おかえりなさい!

ムーミン谷博物館前にあったムーミンの銅像が帰ってきた。壊されて痛々しい姿だったムーミンは撤去され…やっとの「おかえりなさい!」だ。ムーミン谷博物館内では厳しく制限されている写真撮影だけれど、この銅像ムーミンは好きなだけ、ムーミンと一緒に、またはムーミン単体で、眺めるアングルひとつで表情がころころかわるそのムーミンの豊かな表情までも、存分に写真撮影を堪能してください。

おかえり、といえばフィンランドの夏休みに合わせてオープンとなるムーミンワールドも始まった。6月になると夏にはいると、ムーミン周辺がいちだんと賑やかになる。

ムーミングッズもゾクゾクと新商品が登場。夏というのはクリスマスと同じくらいにプレゼント買いの多い時期。夏の始まりに1ヶ月ほど遠ざかっていると、ムーミンショップであちこち見すぎて目が充血しそうなくらい、新商品が並んでいる。ちなみに今年の夏の新商品ラインナップで面白い!と思ったのが、「ムーミンパパ型とムーミンママ型の浮き」がついたキーホルダー。つまり水に落としてもぷかぷかと浮いてくれる。おまけにパパママの白い部分が暗闇で光るようにできている。ということは、海や湖に万が一落としても大丈夫っていうこと?森に落としても光ってくれるっていうこと?…さすが、森と湖の国、自然の中で夏をたっぷり楽しむ人たちらしい商品。

わんさか新しいものがでてくる時期、反動的にふと恋しくなる「今はなき商品」。私、個人的にムーミンママ型のアイスが好きでした。昔っぽい安くて素朴なアイスの味で好きだったのに、ちょっと残念。フィンランドで問い合わせがある「あの商品は今?」といえば、陶器のフィギュアとおしゃべり目覚まし時計。何年にもわたる定番の問い合わせ商品だ。この目覚まし、ふとプレゼントに考えたときに大人の脳裏に浮かんでくるものらしい。ムーミンの形をした時計でアラームのかわりに声をかけてくれるもの。逆に陶器のフィギュアは自分で壊してしまったり、棚に並ぶフィギュアをそろえたくなったりして欲しいという自分用の人が多いみたいだ。

森下圭子

ヘルシンキのムーミンショップ1号店も変身。これでちょっとはお店の場所が分かりやすくなったでしょうか。

通りに面したところに目印がないので見つけにくいかもしれないムーミンショップ。
エスプラナーデ公園沿いの通りで目立つカフェテラスのひとつ、ストリンドベリというカフェ隣にある入り口(ショッピングモール)から入ってすぐのところです。

カイサニエミ公園にある父ヴィクトル・ヤンソンの作品。このモデルになったのは10代のトーベ・ヤンソンだったという話も。