ムーミンマグにまつわるあれこれ【本国サイトのブログから】

ムーミンのことを知っている人なら、ムーミンマグのこともきっとご存知でしょう。フィンランドの陶器ブランド・アラビアのムーミンがデザインされたマグカップは、90年代から販売されている人気のコレクターズアイテムです。今回は、このムーミンマグにまつわるあれこれをご紹介しましょう。

ムーミンマグって何?

フィンランドでは、一般にムーミンマグと言うとき、自国のデザイナー、カイ・フランクが手がけた「ティーマ」シリーズのカップに、ムーミンがデザインされたマグを指すことが多いようです。最初のティーマ型のムーミンマグは1990年に発売され、それ以降人気のコレクターズアイテムとなっています。現在、マグには0.3リットルと0.4リットルの2つのサイズがありますよ。 

誰がデザインしているの?

ムーミンマグのほとんどは、アラビアのセラミック・イラストレーター、トーベ・スロッテがデザインしていましたが、2022年にスロッテは引退し、現在はデザイナーのアニカ・ティックルとイラストレーターのパルヴァティ・ピッライがムーミンマグのデザインチームを作っています。スロッテの産休中には、カミッラ・モーベリというデザイナーが4つのマグカップをデザインしています。
マグに描かれているモチーフは、すべてトーベ・ヤンソンのムーミンの原画です。主に小説やコミックスから取られていて、一つのシリーズをデザインするのには約2年かかります。

どうしてこんなに人気なの?

ムーミンマグが、どうしてこれほど人気のコレクターズアイテムになったのか、もちろん答えはひとつではありません。さまざまな理由があると思われますが、中でも一番大切なのは、やはり他にはないイラストの魅力でしょう。トーベ・ヤンソンの原作をモチーフにしたイラストは、多くの人に子どもの頃の思い出を甦らせてくれます。一つ一つのイラストが物語るストーリーが感情を呼び起こし、このマグを単なるマグカップ以上のものにしているのです。それから、その日の気分や好きな色で、朝のコーヒーにぴったりのマグカップを選ぶ楽しさもありますね!
最初のマグカップが販売された1990年は、ムーミンのアニメーションがスタートしたのと同じ時期で、世界的なムーミンブームの火付け役となりました。

どのマグが一番長く作られ続けているの? 

1996年に作られた、「ラブ」のマグです。

ムーミンマグにはどんな種類があるの?

キャラクターマグ(クラシック・マグとも)、シーズナルマグ、スペシャルエディションマグ、0.4リットルマグがあります。
キャラクターマグはムーミンの物語に登場するキャラクターが1人ずつ描かれ、そのキャラクターの特徴や趣味が強調されています。キャラクターマグは通年販売されています。面白いことに、一番最初のキャラクターマグは、キャラクターをトリミングしていはいけないという理由で、ムーミンキャラクターズから承認が下りなかったんです!(その後、トーベ・スロッテが修正案を直接トーベ・ヤンソンにデザインを見せ、無事許可を得ることができました)
シーズナルマグは、夏と冬の年に2回、期間限定で販売されます。
スペシャルエディションは、キャラクターズやシーズナルマグには含まれないものです。いつもではありませんが、期間限定で販売されることもあります。ムーミンの日(8月9日)を記念して発売されたマグや、ボウルやプレートなどの6点がセットでデザインされた「アドベンチャームーブ」などがスペシャルエディションです。
ムーミンマグは主に0.3Lですが、2021年からは0.4Lのムーミンマグも販売されています。これまでに、1990年代のマグの新しいバージョンと、アルファベットマグの新しいバージョンの2種類が、0.4Lの大きめのマグで販売されています。マグはスタッキングできるので、食器棚の中でも場所を取りません。

どこで買えるの?

ムーミン公式オンラインショップ世界各地のムーミン公式ショップイッタラのオンラインショップ、アラビアのショップなどで購入できます。

どこで作られているの?

2010年代までは、ヘルシンキのアラビアの工場で生産されていました。現在は主にタイで作られています。

最新のムーミンマグはどれ?

毎年新しいムーミンマグが発売されます。随時アップデートされているこのムーミンマグのリストから、最新のムーミンマグを見つけてくださいね。

一番高価なムーミンマグはどれ?

現在、最も価値のあるムーミンマグは2004年に販売されたファッツェルのマグです。クリスマスをテーマにしたこのマグカップは、ファッツェル・カフェのために特注されたもので、400個のみの限定販売で、底には一つずつユニークなシリアルナンバー入りのスタンプが押されています。その価値は約10,000ユーロ(現在約157万円)と推定されています。

翻訳/内山さつき