
MY MOOMINHOUSE Competition(マイ ムーミンハウス コンペティション)受賞作品を発表!【本国サイトのブログから】
オリジナルのムーミンやしきをつくり、特設サイトへ投稿できるオンラインイベント「MY MOOMINHOUSE Competition(マイ ムーミンハウス コンペティション)」には、世界中から1,024点もの応募がありました! 応募者の最年少は2歳、最年長は80歳以上と、幅広い年齢の方々が参加 してくれました。実にさまざまな解釈で、さまざまな形や姿のムーミンやしきがありました――実際に物理的な構造を持つもの、アニメーション、実写ドラマなどなど。使われた素材も、医療用品から苔、木材、磁器類、食べられるもの、電気・水・煙を取り入れた作品まで、多岐にわたっていました。
審査員は、イラストレーターのウッラ・ドンネル氏、作家でイラストレーターのリンダ・リウカス氏、空間デザイナーのアレクサンダー・ライヒシュタイン氏、そしてムーミンキャラクターズのクリエイティブディレクター、ジェームズ・ザンブラ氏です。彼らが作品を審査し、受賞者が選ばれました。
審査員たちは応募作品のクリエイティビティと多様性を称え、このコンペティションが作品の順位付けをしたり、技術的な完成度を求めたりするものではないことを強調しました。応募作品が喜びに満ち、多様性豊かで、それぞれが異なった方法でテーマが探求されていることに、審査員は特に感銘を受けました。友情、自由というムーミンの精神も、多くの作品で表現されていました。
審査員一同、イベントに参加してくださったすべての方に感謝の意を表します。これからもムーミンの世界を作り続けてくださいね!
審査員は、特にインスピレーションを受けた 10の作品に加え、「素材の選び方」、「驚くべき発想」、「色の使い方」、「細部の面白さ」、「ムーミンやしきの精神をとらえた作品」という視点から 5つの応募作品を選びました。
受賞者を以下に発表します。また、すべての応募作品は、特設ページで引き続き見ることができますよ。
テルマ・オフヴォ 7歳
「お花の家」
「やっていて楽しかった し、色がいっぱいで気に入っています 。絵の具と、ケーキに使うレースペーパーと、シールと、のりと、木のスティックと、マーカーと、壁紙を使いました。工作って本当に楽しい!」
特別賞:「色の使い方」
審査員のコメント:
「感情に訴えてくる作品で、喜びが伝わってきます。構成と色使いが素晴らしいです」
エンマ 33歳
「OR moomin」
「このムーミンやしきは、スウェーデンの動物病院のある静かな一日に、手術室で作られました」
特別賞:「素材の選び方」
審査員のコメント:
「獣医さんたちが忙しくない日に、クリエイティヴな活動を行ったという背景が素敵ですね。手術室にあるものを使ったという、とても独創的な素材の使い方をしています。素材選びに意外性があり、素晴らしい仕上がりです」
ルイ・オカ 39歳
「転がる家」
「ムーミンと仲間たちは風に吹かれて転がる小さな雪の家を見つけて、旅に出ます」
特別賞:「驚くべき発想」
審査員のコメント:
「この作品は『ムーミン谷の冬』の雰囲気をよく表しています。他の応募作品とはまったく異なる発想ですね。ムーミンやしきの本質的な部分をとらえた素晴らしいデザインです」
マホ 11歳
「ムーミンやしき」
「ドアはいつでも開かれています」
特別賞:「ムーミンやしきの精神を捉えた作品」
審査員からのコメント:
「日本の折り紙を彷彿とさせますね。私たちが知っているムーミンやしきそのままではなく、すべての窓が開いていることで、ムーミンやしきの精神を見事にとらえています。パーツを組み合わせて構成する発想で、色の使い方も素晴らしく、面白い形の作り方――角張った形で丸みを帯びたキャラクターを作る――が、際立っていました」
アメリア・バックス 37歳
「ムーミニハウス」
「愛情を込めて、すべてハンドメイドで制作しました。ムーミンとポリーポケット(1980年代後半にイギリスで生まれた、コンパクトの中に小さな人形と世界が広がるおもちゃのシリーズ)への愛からインスピレーションを得ています。可動パーツが多く、ポーズをとらせることができるキャラクターが特徴です」
特別賞:「細部の面白さ」
審査員からのコメント:
「豊かな想像力が感じられて、細かいところまで素晴らしいです。すべて一から、そしてとても小さなスケールで作られています。このカテゴリーには多くの応募作があり、どれか一つを選ぶのはとても難しいことでした。この作品が際立っているのは、ムーミンの本にはおそらく描かれてはいないけれど、きっとあるだろうと思わせてくれるような細かい部分がたくさんあるところです。また、この家が単に飾って楽しむだけではなく、遊ぶために作られている点も審査員から高く評価されました」
フレヤ 2歳
「おしゃぶりケース」
審査員からのコメント:
「この作品は形式と無秩序の感覚が共存しており、まぎれもなくムーミンやしきでありながら、まったく新しい機能に捧げられています。子どもが自分のおしゃぶりを隠す場所を作るというのは、とても深い個人的な何かがあるのです。一方で親は、すぐに使わなくなるのに、子どもが自分の大事なものをしまっておく「安心できる場所」 をつくるのを見て、小さな我が子がすぐに成長してしまうのを思い、ある種のさみしさを感じるのでしょうね。審査員たちはこの作品が最年少の参加者によって作られたことにも注目しました 」
ヘルッタ・テナヴァット保育園 5歳
「希望の家」
「ムーミンやしきには、一年を通して、組のみんな への願いやあいさつ、褒め言葉などを書き込むことができます」
審査員からのコメント:
「コラージュ技法を用いて多くの子どもたちが一緒に協力して制作した共同作品で、教育の一環として実際に使われています 。審査員は、大人からの指導を受けすぎず、子どもたちが協力して作った様子を高く評価しました。作品には、ちょっと風変わりで楽しい魅力が感じられます」
ユリア(ユノ・コルピキッサ) 41歳
「ポケットハウス」
「小さなムーミンやしきと、ある冬の日に目を覚ました小さなムーミントロール。家族はみんな、春を待ちながらすやすや眠っています」
審査員のコメント:
「この作品は、ムーミンやしきを自分の行くところどこへでも連れて行きたい、ポケットの中にいつも入れておきたいという願いを表現しています。どんなときでも離れていたくない、大切なものだという気持ちが伝わってきます。楽しく温かい気持ちを表現した作品です」
エミー 19歳
「ムーミンキッチン」
「キッチンで料理をしているムーミン一家。そのあたたかさが、夜の寒さから守ってくれます」
審査員からのコメント:
「この作品は、ムーミンたちを現代のキッチンに描き、遊び心のある方法で作者自身の生活に溶け込ませています。キャラクターたちは、トーベ・ヤンソンが通常は使わないような想像豊かなポーズや角度で描かれています」
カトゥヤ L-M 45 歳
「ある午後」
「バラの香りのムーミン谷の午後へようこそ。厚紙で家を作り、水彩とインクペンでイラストを描きました」
審査員からのコメント:
「動きの要素が三次元の空間を分かりやすく認識させてくれる素晴らしい作品で、特にムーミンやしきの中の部屋が印象的です」
マーティン・スコーンベリ 78歳
「ヴェラの家」
「この家は、ムーミン一家とともに育った娘ヴェラのために作ったものです。彼女は弟と一緒に、この家を飾り付けて遊びました。それから30年が経ちましたが、今でもちゃんとしっかりしています」
審査員からのコメント:
「まるで本物の家のようですね。本当によくできています。トーベ・ヤンソンとトゥーリッキ・ピエティラが作ったジオラマを彷彿とさせます。作者が子どもたちの遊びのために、長い時間をかけて作った、まさに傑作ですね」
ライナ 21歳
「ムーミン手回し紙芝居」
「ムーミンたちを訪ねたくなったら、ハンドルをスクロールしてムーミンやしきのフロアを巡ります!」
審査員のコメント:
「素晴らしい発想です。場面が変わり、空間が変化し、スクリーン自体がムーミンやしきの形をしています。物語の中のムーミンやしきは活気に満ちていますが、その命がこの家にももたらされています」
ムーミンメイベル 22歳
「ムーミン・アイランド」
「ムーミンへの深い愛情と、子どもの頃に大好きだったイラストのディテールにインスピレーションを受けて、空想を現実にするために独学でアニメーションを学びました」
審査員のコメント:
「さまざまな方向へと開かれていて、さまざまな解釈ができる作品です。空や海に浮かぶ島、イングリッシュガーデン、空想の世界、驚異的な魔法を秘めた小さな惑星。インターネット文化をとらえた繊細なデジタルの演出は、宮崎駿監督のスタジオジブリ作品『ハウルの動く城』を彷彿とさせます」
カイス・ケイサラ-カセヤ 5歳
「カラフルな家」
「虹色のムーミンやしき。ここに住むのは楽しいですよ。作品を作ったのは5歳のシエナです」
審査員からのコメント:
「すばらしい雰囲気のある作品。親子の見事なコラボレーションで、おそらく親御さんが子どもの家の舞台となる風景を作っているのでしょうね」
セルマ 11歳
サボテン・0
「洪水が引いたあとは、とても乾燥した気候になって、サボテンも生えました。ムーミンたちは家が必要だったので、巨大なサボテンの中に家を作りました」
審査員からのコメント:
「この作品は、絵本『さびしがりやのクニット』を思い出させます。絵本の中で、登場人物たちは大きな花や貝殻に住んでいます。ムーミンたちは、どんな場所や状況でも、いつもいろいろな環境に上手に適応していくのです。サボテンでも、花でも、貝殻でも、伝統的な家でも同じようにね。この作品は私たちに気候変動についても思い起こさせてくれます」
翻訳/内山さつき