トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園

ムーミン童話の世界を感じられる児童公園として、1997年から市民に親しまれてきた埼玉県飯能市の「あけぼの子どもの森公園」が、6月1日、その名称を正式に「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」と改めました。

https://www.city.hanno.lg.jp/akebono

トーベ・ヤンソンが生まれたフィンランドには「自然享受権」という権利を定めた法律があるのをご存知ですか?具体的には、森は、その土地が誰の所有であっても、誰でも好きなときに分け入って、そこに自生している植物であれば採って帰ってよい、という法律です。実際に、森の中を自由に散策し、自生しているベリーやキノコを採るのは、フィンランド人家族に一番人気のある週末の過ごし方なんです。

トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園は、子どもたちがそんなフィンランド人の自然との付き合い方を体験できる公園といって良いかもしれません。児童公園といえばまず思い浮かぶのは滑り台やブランコといった遊具ですが、この公園には遊具がありません。子どもたちは自然の中で、どろんこになったりびしょぬれになったり、楽しく遊びながら創造力を育てていきます。

園内にはまるで地面から生えてきたかのような「きのこの家」があり、いつでも子どもたちでいっぱい。複雑に何層にも重なったフロアや、そこかしこにある抜け道や隠し部屋を、目を輝かせながら探検しています。公園の入り口すぐに建つ「子ども劇場」では、音楽会や読み聞かせ、紙芝居、昔ながらの遊びの教室などのイベントが開催されています。更にその奥にある「森の家」(丸太を縦に並べて建てられた、見たこともないような建物です)には、トーベ・ヤンソンとムーミンの歴史をたどるパネルが展示され、最上階にはムーミン童話や絵本が読める図書室も。

「ムーミン谷を再現した」場所でこそありませんが(それは同じ飯能市に「ムーミンバレーパーク」が開業する2019年春までお待ち下さい!)、ムーミン物語の根本にある哲学が体感できる「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」。お近くの方はぜひお子様連れでお出かけください。