ムーミンはムーミンママが大好き
大変ご無沙汰しておりました! 森番です。先週末の「こどもの日」が終わったと思ったら、今週末はもう「母の日」なのですね。それで森番はふと思ったのですが、世界には色んな言語があるにもかかわらず、なぜ「ママ」という呼び名だけはまるで世界共通語のように、どこの国にでもあるのでしょう? 例えば街中を歩いていて、それまで全く知らない言語を話していたはずの外国人旅行客の言葉が、突然耳にすっと入ってくるなんてことが時々あります。すると大抵、外国人の子どもが「ママ~」と母親を呼ぶ声だったりするのですね。そして森番はその度に「ああ、やっぱり世界中どこへいっても『ママ』は、やっぱり『ママ』なのだな~」と思うわけです。そう考えると「母親」という存在は人間にとって「普遍的な存在」なのだと、改めて感じさせられますね。(その次にやってくる父の日も、おろそかにしないでくださいね~!世の中、パパのことはおろそかになりがち。by 新金庫番)
『ムーミン谷の夏まつり』(講談社/ 下村隆一訳)「木の皮の船と火をふく山と」では、ぜひ「母の日」に合わせてご紹介したい、ムーミントロールとムーミンママの何とも可愛らしい親子愛が描かれる場面があります。
ある日ムーミンママは玄関の階段に腰掛けながら、ムーミントロールにあげるための木の皮でできた船を作っていました。そんな様子を知ってひそかに喜ぶムーミンは、池のほとりの苔の上に寝そべりながら、こんなことを考えていたのです。
「(あれは、ぼくのだぞ。きっと、ぼくにくれるんだ。ママは、いつでも夏になると、木の皮の船をこしらえて、ママのいちばんすきな人にあげるんだもの。そんなことをしたのを、ほかの人がかなしまないように、あとでわからないようにしてしまうけどさ。)」
ママの愛情を独占したい赤ちゃんのようになってしまう、ムーミントロール。
誰よりも自分こそが、ムーミンママの愛情を一身に受けているのだということを再確認しようとします。更にムーミンは池にいるミズスマシを使って、ムーミンママが作っている木の皮の船がいったい誰のものであるかを占おうとします。
「(そうだ、あのみずすましが、もし東へいったら、ボートはあきらめるとしよう。もしか西へいったら、ボートはぼくのだぞ。(後略))」
ムーミンのこの水すましを使った占いは、まるで、恋人の心を占う花占いみたいです。ムーミンは、自分に対するムーミンママの愛情にいまひとつ確信が持てないのでしょうか。そんなこと、本当は疑うまでもないことなのにね。良い結果がでるとばかり思って恋占いをしてみると、最悪の結果が出たりするのは良くあることだけど、それで本当の結果を見る前に、泣いちゃうなんて、まったく。そんな昼下がりのオセンチなムーミンが可愛過ぎる~。(by 新金庫番)
そうそう、まずは結果を見ないとですね。するとムーミンママは、出来上がった木の皮の船をプレゼントするため、早速ムーミンの元へとやってきます。「ぼうや、いいものをもってきてあげましたよ。」ムーミンママが、ムーミンのために作った帆前船を池の上にそっと浮かべました。そうすると、やっと安心したムーミンは、(期待していた小さなボートではありませんでしたが)自分の鼻をムーミンママに優しくすりよせて言うのです。
「これ、ママがいままでにつくった中で、いちばんすてきだね。」
今週は「母の日」に合わせ、ムーミンママのエピソードをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 時にスノークのお嬢さんの前では、勇猛果敢で男らしくなったり、または友人スナフキンの前では、乙女のように待ちわびたり、涙したりもするムーミンですが、一方のムーミンママに対する態度は、まさに甘えん坊な子供そのものといった様子ですね。でもそんな甘えん坊で、ママからの愛情をたっぷり受けてきたムーミンだからこそ、みんなに愛されるムーミントロールに育ったのかもしれませんよね。それでは今週はこの辺で、また来週お会いしましょう~!
う~んん、新金庫番も、擦り付けあえる大きな鼻がほしい!皆さま、良い週末を!!
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