ご先祖さまはムーミン族の何年前の姿?
新作アニメ『ムーミン谷のなかまたち』が待望のBlu-ray&DVD化! すでにゲットしてご覧になった方も多いかと思いますが、うっかりしてた~という方、詳細はこちら。特典付きの豪華版は数量限定なので、どうぞお早めに! アニメ絵本『ムーミン谷のなかまたち~リトルミイがやってきた』(徳間書店刊)と両方購入でプレゼントが当たるキャンペーンも実施中ですよ。
さて、今回のムーミンクイズは、その『ムーミン谷のなかまたち』シーズン1の最終回にあたる第13話「真冬のご先祖さま」にまつわる問題です。このエピソードの原作は小説『ムーミン谷の冬』。家族みんなで冬眠をしていたはずなのに、ムーミントロールがひとりだけ目覚めてしまい、雪に閉ざされたムーミン谷でさまざまな冒険をするストーリーです。アニメでは、雪の上に残された足跡を追って水浴び小屋に向かったムーミントロールがおしゃまさんや姿の見えないとんがりネズミ、そして茶色い毛むくじゃらの生き物と出会います。その生き物のことを“老いぼれネズミ”呼ばわりするムーミントロールでしたが、おしゃまさんからそれはムーミンたちのご先祖さまだと聞かされるのです。
では、ここでクエスチョン! おしゃまさんは、ご先祖さまの姿は何年前のムーミン族だと言ったでしょうか? 「○○年前」とお答えください。
ムーミントロールとご先祖さま、ふたり並んだ姿を見ると、鼻の丸みがそっくりだということがわかります。フルCGで描かれた細かい毛の質感、思わず触ってみたくなりますね!
小説『ムーミン谷の冬』の描写を引用すると、その姿は「長い毛におおわれた、大きな鼻をした、灰色のもの」。夏が恋しくなったムーミントロールが、おしゃまさんから「あけてはだめ」と止められていた水浴び小屋の戸だなを開けてしまったとき、ご先祖さまが外に飛び出してしまいます。おしゃまさんはご先祖さまについて、こんなふうに言うのです。
「あれは、トロールなの。あんたも、ムーミントロールになるまえは、ああいうトロールだったのよ。千年まえは、あんたも、あんなふうだったわけ」(『ムーミン谷の冬』講談社刊/山室静訳/畑中麻紀翻訳編集より引用)
クイズの答えは「千年前」でした! しかし、なぜご先祖さまだけが千年前の姿をとどめたまま今も生きているのか、ご先祖さまは何歳なのか(アニメではムーミンがご先祖さまのことを「ぼうや」なんて呼んでいます)、謎がいっぱい。そして、飛び出してしまったご先祖さまはどうなるのでしょうか!?
アニメでは、ムーミントロールがご先祖さまを水浴び小屋に連れ戻そうと、ムーミン屋敷や雪の積もったムーミン谷など、あちこち探しまわり、追いかけっこが続きます。驚くほどスピーディーなご先祖さまの動きやコミカルなやりとりはアニメならでは! ムーミントロールがピンチに陥ったとき、ご先祖さまが思わぬ優しさと活躍を見せて、やがてふたりは仲良く身を寄せ合います。このくだりは小説にはない独自のシーン。『ムーミン谷の冬』は初めての冬に挑むムーミントロールの経験と気持ちの変化を描いた作品ですが、アニメ版の「真冬のご先祖さま」ではご先祖さまを軸にお話が展開していきます。
このアニメオリジナルの場面は、フィンランドのレッパヴィルタという町にあるホテル、ヴェシレッピスに作られた「ムーミン氷の洞窟」2020でも再現されていました。雪と氷でできた小屋のなかに実際に入って、ライトアップされた焚き火にあたることができます(薪も氷なので、暖かくはありませんが)。
昨年、大好評を得て、今年も開催されることになった「氷の洞窟」。2020年バージョンはアニメ『ムーミン谷のなかまたち』がテーマで、なかでも第13話「真冬のご先祖さま」を中心に、氷で出来ているとは思えないような生き生きした彫像がいくつも飾られていました。ムーミン谷の冬に入り込んだような体験ができる「氷の洞窟」は日本からはるばる行くだけの価値あり! 詳細は公式サイト(日本語あり)や「森下圭子のフィンランドムーミン便り」をご覧くださいね。
ムーミン谷の冬を描いた唯一の長編小説『ムーミン谷の冬』はとても人気の高い一作で、トーベが運命のパートナー、トゥーリッキ・ピエティラと出会って生まれたムーミンシリーズの転機となった作品でもあります。
パペットアニメ『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』でも描かれていますから、ご先祖さまの姿を見比べてみるのも楽しいですね。
また、以前のブログ「ムーミンの初めての冬」でもご紹介しましたが、ムーミンバレーパークの「WINTER WONDERLAND in MOOMINVALLEY PARK」のモチーフにもなっています(ムーミン屋敷のプロジェクションマッピングなどが楽しめる冬期限定イベントは3月8日までなので、お見逃しなく~)。
そんな『ムーミン谷の冬』の新版がいよいよ来週 2月25日に発売! これから読んでみようかなと思う方はぜひ新版を予約してください。旧版を何度も読んだという方も、リフレッシュされた新版での新しい発見をどうぞお楽しみに!
萩原まみ(文と写真)
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