ムーミン谷の織姫と彦星!?
いよいよ明日は七夕ですね。こんばんは、森番です。皆さんは短冊に、どんなお願い事をされるでしょうか? 七夕といえば一年に一度、織姫と彦星が会える日という伝説で有名です。しかしそんな七月七日に雨が降ってしまうと、二人は一年に一度きりの逢瀬すら叶わないのだとか。。。だから七夕の当日に降る雨は、天の川を渡れない織姫と彦星が流す涙になぞらえて、催涙雨と呼ばれるのだそう。。。会っても会えなくても、どこまでもロマンチックな七夕伝説であります。
ところで皆さんはムーミン谷にも、そんな織姫と彦星のように離れ離れになってしまったことのある、カップルがいるのをご存知でしたか? そのカップルとは皆さんもお馴染み、ムーミン谷のNO.1カップル、ムーミントロール&スノークの女の子。そしてそんな愛し合う二人の前に立ちはだかったのは、天の川ではなく、まさかのニョロニョロなのでした!? というわけで今回は前回のブログに引きつづき、ムーミン・コミックス『恋するムーミン』(筑摩書房/ 冨原眞弓訳)からのエピソードをご紹介します。
同時に二人の女性に助けを求められた場合、どちらを先に助けるか、というのは、まことに究極の選択。男には難しいですね。逃げるの?ムーミン!by 新金庫番
本の中のヒロインに憧れる、ムーミントロール。ある日ムーミン谷に洪水が起こり、ムーミンは遭難していたサーカス団のプリマドンナと出逢います。すっかり美しいプリマドンナに夢中になってしまうムーミントロール。。。一方のスノークの女の子はそんなムーミンの様子に、ちっとも面白くはありません。
『彼女を ちやほやするほかにやることないの?』
ムーミンはその後もプリマドンナのためにあれこれと尽くしますが、使われるだけ使われて、結局はちっとも相手にはされないのでした。ムーミンに怒ってばかりのスノークの女の子、自分の好意を無下にするサーカスのプリマドンナの双方に愛想を尽くしたムーミントロールは、ついに孤独を求めて山へ引きこもることを決意。道中にて、プリマドンナのもう一人の被害者でありサーカス団員のエメラルドと偶然出くわしたムーミンは、「女子禁制」と銘打って男だけの共同生活を始めるのでした。
(ムーミンが、スナフキン以外の男とも共同生活してたって、なんだかそっちのほうが面白いわね。でも、エメラルドっていい男? by 新金庫番)
『正直いってもううんざりなんだ』
『同感だよ ぼくらここに隠れて住もうか?』
これがなかなか男っぷりのいい、エメラルドなんですよ。そんな男性陣の様子を知ったスノークの女の子とプリマドンナ(そして巻き込まれたミムラも)は、対抗措置として「男子禁制」の共同生活を始めます。とんだすれ違いから、離れ離れになってしまったムーミンとスノークの女の子。しかし互いのことが気になって仕方のない二人は、こっそり相手のところへこっそりと行ってみては様子を伺ったりするのでした。
『あそこに彼女がいるんだ・・・』
そんなムーミンとスノークの女の子を陰ながら見守っていた、プリマドンナの馬。二人を仲直りさせるためのある名案を思いつき、実行に移します。そこで利用されたのが、まさかの「ニョロニョロ」!! ニョロニョロをけしかけてスノークの女の子ら女性陣が住むテントを囲ませて、ムーミンに救出させようという作戦なのでした。
『早くムーミンに伝えて“至急 ニョロニョロからの救出求む”と』
そして作戦は見事、成功!! その後も相変わらずつまらない事でもめる二人でしたが、このプリマドンナの馬やミムラの助けもあって、最終的には完全に仲直りすることができたのでした。
今週のブログは七夕の織姫と彦星にかけて、ムーミンとスノークの女の子のエピソードについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 今回のムーミン&スノークの女の子は、現代で言うところの「こじらせ系」となっていましたね。でももしかすると、たまにはこじらせてみるのも恋愛の醍醐味なのかも!? 織姫と彦星の二人にしても、会えるのが一年に一度きりだからこそ、永遠にロマンチックな存在でいられるのかもしれません。。。それでは今週はこの辺で、皆さまもお天気に気をつけて、よい七夕をお過ごしください~!