赤い帽子のスナフキン!?【ムーミンクイズ】
最近、ちょくちょく見かけるようになった気がするこのキャラクター、スナフキンが赤い帽子をかぶってる?なんて思った方もいらっしゃるかもしれません。
原作のなかでも小説『ムーミンパパの思い出』だけに出てくる、いわばレアキャラにもかかわらず、ムーミンの登場人物のなかでいちばん好き!なんて根強いファンもいるんです。
こちらの挿絵の中央にいるのは、当時はまだパパではなく、ひとりの若いムーミンだったムーミンパパ。鍋をかぶっているのはスニフのお父さんのロッドユール。その後ろにいるスナフキンそっくりの人物、さて、その名前は……?

彼の名前はヨクサル。スナフキンのお父さんです。今回のブログ「ムーミンクイズ」ではヨクサルについて詳しくご紹介してみたいと思います。
ヨクサルはどんなキャラクター?
小説『ムーミンパパの思い出』はムーミンパパがかつての冒険の日々を振り返り、「思い出の記」を綴りながら、息子のムーミントロールと友だちのスニフ、スナフキンに語って聞かせるという二重構造のお話。
みなし子ホームを抜け出した若き日のムーミンパパは発明家のフレドリクソンと知り合い、彼が造った船に案内してもらうことになりました。操舵室のドアを開けると、床の真ん中に転がって顔に帽子を乗せて眠っている不審な姿が……。それはフレドリクソンの友人、ヨクサルでした。禁じられたり強制されたりするのが大嫌いで、「立ち入り禁止」と書いてあるのを見て、あえて船に入り込んでいたのです。

この初登場シーンではこんなふうに描写されています。
「よれよれのだらしない身なりで、全体的にうす茶色の印象を受けました。ぼうしはたいそう古びていて、かざりにつけてある花はしおれていました。そして、もう長いこと体を洗っていないようでした。たぶん、洗おうともしなかったのでしょう。」(新版『ムーミンパパの思い出』講談社刊/小野寺百合子訳より引用)
何かを禁止されてはっきリと目をさましているとき以外は「眠るか、食べるか、うつらうつらしているか」というマイペースな性質で、古いものを大事にするところや反骨精神は息子のスナフキンにも引き継がれたようです。
ミムラとの出会いとスナフキンの誕生
船で冒険の旅に乗り出した一行は、王さまの島にたどり着き、ミムラのむすめ(ミムラねえさん)と出会います。彼女をはじめとする(本人いわく)18人も19人もの子どもたちの母親で、丸っこくて豪快な女性がミムラ(ママミムラ/ミムラ夫人)。ヨクサルは「たいしたミムラだねえ」とすっかり感心して、いっしょに過ごすようになりました。

そして、夏至の頃、ミムラの末むすめとしてミイが生まれ、続いてスナフキン誕生。ミムラねえさんとリトルミイはスナフキンの異父姉とされていますが、そのあたりの詳細は小説には書かれていません。トーベ・ヤンソンが作ったファミリーツリー(家系図)を見ると、ミムラとヨクサルの間にスナフキンの名前が記されているのがわかります。

父ヨクサルと息子スナフキンの再会
ムーミンパパが昔のことを語って聞かせたとき、スナフキンはムーミン谷に滞在中。前作の小説『ムーミン谷の彗星』でおさびし山を望む川のほとりにテントを張ってひとりで暮らしていたスナフキンは、ムーミントロールとスニフと共にムーミン谷へとやってきました。スナフキンがどのように大きくなったか、なぜ両親と離ればなれになったのかははっきりせず、ヨクサルたちが今どこでどうしているのかもわかりません。
ところが、ムーミンパパが本を書き上げた雨の晩、誰かがドアをノックしたのです。ベランダから現れたのはフレドリクソン、ヨクサル、ミムラと子どもたち、スニフの両親のロッドユールとソースユール、おばけもいました。

この挿絵の再会の場面はフィギュア化されておおいに話題を呼びました。モノクロだとわかりづらいのですが、帽子にロープ飾りをつけた後ろ姿がヨクサル、羽をさしているのがスナフキンです。

ムーミンの日本公式Instagramのパーツ当てクイズ「わたしはだれでしょう?」、上着と足だけの写真ではスナフキンという回答が目立ちましたが、ズボンの色で見事にヨクサルだと見抜いた方も! 過去のアニメやグッズでは配色が異なる場合もありますが、現在はこの配色が基本とされています。
ヨクサルをもっと知るには?
ヨクサルについてもっと知りたい!と思ったら、なんといっても原作『ムーミンパパの思い出』は必読。ムーミンパパの回想がメインなので、前作を読んでいなくても単独でじゅうぶん楽しめます。
映像作品なら、パペットアニメ映画『ムーミンパパの思い出』がおすすめ。DVDや配信で視聴可能です。
また、ムーミンバレーパークの常設アトラクション「海のオーケストラ号」ではヨクサルたちと冒険気分を味わうことができます。コケムスのジオラマでもぜひ姿を探してみてください。

2024年から秋に開催されているイベント「ムーミンバレーパークのハーベスト」のテーマは『ムーミンパパの思い出』!(写真は2025年のもので、現在は終了しています)。

物語に入り込んだようなフォトスポットのほか、限定グッズやメニューも。2026年は未定ですが、ヨクサル人気がさらに高まりつつある今、(あくまでも願望ですが)期待せずにはいられません。

ヨクサルの今後に期待!?
前述したとおり、ヨクサルは『ムーミンパパの思い出』にしか登場しない上、限られた挿絵も後ろ姿だったり、こんなふうに寝そべったポーズだったりして、ファン泣かせ。

挿絵が少ないので、グッズも限られてきたのですが、フィギュアやクリップ付ぬいぐるみ、モバイルバッテリーなど、ユニークなアイテムも増えてきました。3月下旬にはマグやプレートなどのテーブルウェア全5種類が新発売予定です。

昔からヨクサル推しだった方も、だんだん気になってきた!という方も、新展開あればこちらの公式サイトでお知らせいたしますのでどうぞ楽しみにお待ちくださいね。
文と写真/萩原まみ(text&photo by Mami Hagiwara)