「トリック・オア・トリート!」、この子の名前は?【ムーミンクイズ】

10月末の楽しい行事といえばハロウィン
コロナウィルスの影響で大がかりなイベントはなかなか開催できない年が続きましたが、今年はそろそろ再開できそう? 仮装ついでに感染対策をしっかりしつつ、盛り上がれるといいですね!
メリーチョコレートJUHLA(ユフラ)のアイテムを揃えて、お家でパーティーを開くのもおすすめです。

ムーミンのお話ではハロウィンは描かれていませんが、ハロウィンにちなんだ「いたずらスティンキーと“トリック・オア・トリート!”」「おばけの意外な趣味って何?」などの過去ブログもぜひ読んでみてください。

さて。今回のブログは久々のムーミンクイズ。
ムーミン谷きってのいたずらっ子、この子の名前は?

箱から飛び出したのは誰!?

ムーミン・コミックス第6巻『おかしなお客さん』で、冬眠をやめたムーミン一家のところに、個性的(ワガママ?)なお客さんたちが訪れ、てんやわんや。
その上さらに、郵便屋さんが持ってきた小包に入っていたのは……クリップダッス
親でさえ、しつけに失敗して、ムーミンやしきに送ってきたのです。

いたずらと秘密が大好きなクリップダッスは、ひとの部屋を覗いたり、忍び込んだり、立ち聞きしたり、みんなが内緒にしていたネタをつかんでまわります。
ダイエット中なのにお菓子を隠し持っていたスノークのおじょうさんのおやつを横取りするクリップダッス。
まさにハロウィンの合い言葉「Trick or Treat!」=「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!」ですね。

このエピソードは『ちびのミイとおかしなこづつみ』という、お子さまも楽しめる絵本にもなっています。日本語訳を担当したのはブログ「フィンランドムーミン便り」でもおなじみの森下圭子さん!

なんでもかじる!

クリップダッスはムーミン・コミックス第3巻『ムーミン、海へいく』にも登場。
個人名ではなく種族の名前なので、さきほどの『おかしなお客さん』とは別の個体で、姿も少し違いますね。

この子は困ったことに、船をつなぐロープを食いちぎり、海図に大きな穴を開けてしまいます。

しかし、悪さばかりではなく、たまには役に立つことも(笑)。
集団で現れたクリップダッスたちは、船のお荷物だった密航者の詩人をさらっていってくれました。

小説に登場するニブリング

同じような場面、どこかで見たような気がしませんか?
小説『ムーミンパパの思い出』には、ニブリングと呼ばれる集団が出てきます。
こちらはガミガミと口うるさいヘムレンおばさんを海の彼方へと運んでいってくれました(おばさんは食べられてしまったわけではなく、幸せになったようなので、ご安心を。詳しくは原作を読んでみてくださいね)。

小説のニブリングは、足に吸盤がついていて歩くとベタベタする足跡が残る、と書かれています。群れで暮し、なんでもかじったりかんだりします。

実は、ニブリングの原語名Klippdass(クリップダッス)は、スウェーデン語でケープハイラックスという動物を指す言葉。
英語名のNiblings(ニブリング)はnibble(=かじる)という単語から命名されたのではないかといわれています。
日本語では小説ではニブリング、コミックスではクリップダッスと訳されていますが、本来は同じ名前、同一種族なんです。

こちらのエピソードはクラシック・ムーミン絵本『ムーミン一家の海の冒険』でも描かれていますよ。

ニブリングとクリップダッスを探そう!

10月1日(土)から「ハーベスト2022」開催中のムーミンバレーパークには、ニブリングとクリップダッス両方のぬいぐるみがありました。

各地で好評開催中のヴィレッジヴァンガードプロデュースPOPUP SHOPムーミン谷の不思議な住人たち by VILLAGE/VANGUARDのキーアートに登場しているのはクリップダッス、キタンクラブのフィギュアシリーズ「ムーミン フィギュアマスコット」 はニブリング。

実はあちこちに顔を出している彼ら、今まで、「かわいいけど、誰?」と思っていた方も多いのでは。
ちょっとややこしいですが、小説は英語でニブリング、コミックスはスウェーデン語でクリップダッス、ぜひ覚えて、探してみてくださいね!

萩原まみ(text by Mami Hagiwara)