『ガルム』とトーベ・ヤンソン
『ガルム』とは、1923年〜1953年に刊行されたフィンランドの風刺雑誌で、トーベ・ヤンソンのキャリアは、1929年にこの『ガルム』でスタートしました。なんとトーベが15歳の年です。そして『ガルム』が廃刊になる1953年まで、トーベはこの雑誌のために絵を描き続けました。その数なんと500以上。100ものカバーイメージを手掛け、雑誌に載せるイラストについては数えきれないほどだったそうです。
『ガルム』は風刺画を通して政治問題を取り上げる雑誌で、ファシズムはしばしばそのターゲットとなりました。トーベの描く風刺画は調べあげられることもありましたが、トーベは気にすることなく、論争問題を描き続けました。
トーベは1940年代初め、『ガルム』に後のムーミントロールになるであろうキャラクターを登場させます。トーベはこのキャラクターを「スノーク」と呼び、絵の中のトーベのサインの横によく描きました。
そして1953年、『ガルム』は刊行者であるヘンリー・レインが亡くなったのち、廃刊となりました。